細谷豊明という名前に聞き覚えはありますか? - ネット時代における実名公開のリスクを考える
細谷豊明という名前に聞き覚えはありますか?
もし、あるなら、あなたは私の知り合いか、もう一人の細谷豊明さんの知り合いか、のどちらかである可能性が極めて濃厚だ。
その話をする前に、まずは「細谷」という姓について、私の周辺の話をしよう。
「同級生に細谷君がいた」とか、「取引先の担当者が細谷さんだ」とか、今までいくつかの“細谷情報”を耳にしたことはあったが、私自身は一度も親戚以外の「細谷さん」にお会いしたことはない。
20年以上、東京で編集関係の仕事をし、また、転職回数も多い方なので、かなりの数の人たちと名刺交換をしてきたが、それでも東京では最後まで自分以外の「細谷さん」と握手を交わすことは叶わなかった。
あまりにも細谷さんに会ったことがないので、「同級生の細谷君」とか「取引先の細谷さん」は、実は友人たちの作り話で、本当は日本には親戚以外の細谷姓の人はいないのではないか、なんて極端な妄想をしてみたが、ネットで調べてみると「細谷佳正」さんという声優さんがいるようだし、別の細谷さんも割とたくさん出てくるので、やっぱり、それなりに細谷姓の人がいるのは確かなようである。
さて、次は「豊明」の方だ。
こちらは、「細谷さん」以上に噂を耳にしたことがない。
かつて、雑誌の仕事でエッセイストの安藤和津さんの取材の現場に立ち会ったことがあったのだが、その時に名刺交換をした安藤さんのマネージャーさんから、『あ、奥田と同じ名前ですね!』と言われたことはある。
「奥田」というのは、安藤さんのご主人で俳優の奥田瑛二さんのことだ。実は、奥田さんの本名が豊明だということは以前から知っていて、その時ばかりは、「豊明さん」を知る数少ない方との遭遇に『そうなんですよ!』と場違いなテンションで答えたことを覚えている。
「豊明さん」に関しての噂話は私の周辺ではこれ一つしかない。
例によって、ネットで検索してみると、やはりそれなりに……いや、愛知県の豊明(とよあけ)市のことばかりが出てきて、人名に関するかぎり、「細谷さん」以上にマイナーな存在であることは、こちらも確かなようである。
そんな「細谷」と「豊明」の組み合わせをもった私である。
たいして珍しい感じがしないのが、若干口惜しくもあるが、それでもかなりマイナーな名前であることは疑う余地もなく、同姓同名の人なんてこの世にいないのではないか、と今度はフェイスブックで検索してみると、な、なんと、一人だけ、私とは別人の「細谷豊明」さんがいたのである!
というわけで、『細谷豊明を知る人物は私の知り合いか、もう一人の細谷豊明さんの知り合いか、のどちらかである可能性が極めて濃厚だ。』という冒頭の結論に帰結する。
ま、ネット上に出てきていない細谷豊明さん(故人含む)も当然、いらっしゃるだろうから、もし、そういう方が身近にいたら、コメント欄で教えてください。だからなんだ、って話ではあるけれど。
残念ながら、オンリーワンにはなれなかったので、この話はここまでとしよう。
さて、ここまで1,000文字近くもかけて、いかに「細谷豊明」という名前が珍しいかという、他者にとってはホント、どうでもいい話を延々続けてきたわけだが、ここから一気にこの話の核心に入るので、もう少しお付き合いいただきたい。
今まで話してきたとおり、現在、ネット上には、細谷豊明が2人しかいないという現実。
これは私にとって、ネット上で実名公開することを避けてきた大きな理由の一つである。
若い頃は、「有名になりたい!」なんて思ったこともなくはなかったが、私が10代20代の頃はインターネットがそもそもなかったり、黎明期だったりしたこともあり、その頃はまだ自分の名前が世の中に知られること(例えばテレビに出るとか、雑誌で紹介されるとか)は一つのステータスのように感じられたものである。
しかし、今は状況が全く違う。
ネット上で実名が出てしまうということは、大なり小なり、プライバシー(職業上の情報も含む)の一部を世界中に晒すことに繋がってしまうのだ。
そう。
もし、今、誰かがネットで「細谷豊明」を検索したら、出てくる人物は、私かもう一人の細谷豊明さんしかいないという現実。
これはかなりコワイ。
さらに恐しいのは、もう一人の細谷豊明さんの情報はフェイスブック以外でほぼ見当たらないことからすると、あなたが「細谷豊明」を検索して得られる情報は、十中八九、私の情報になるということだ。
私も今年で48歳。
叩けばそれなりに埃の出る年頃である。
犯罪歴こそないものの、相当の数の女性を泣かせてきたことは事実。
あ、いや、それもないか(笑)
ま、冗談はともかく、私は今まで、ネット上に自身の情報が載ってしまうことを極力避けてきた。できれば、ずっと、名もなきフリーライターとしてひっそりと生きていくつもりだったのだ。
が、しかし。
ここにきて、そうも言っていられなくなってきたのである。
私は3年前に小田原にやってきて2年間を農業研修生として過ごし、今年、独立農家(自営業)として本格的に農業経営をスタートさせた。今は個人事業主だが、ゆくゆくは事業を拡大させて、農業法人を設立するという夢も持っている。
農業界隈で私のような新参者が成功していくためには、ネットの力を最大限に使っていくしかない、というのは自明の理だ。しかも、私には手前味噌ながら、文章作成のスキルに加えて、web構築、デザイン、販促、PRのスキルまである。インターネットをフル活用しない手はないのである。
と言うわけで、舵を大きく切ることを決断した。
なんなら、細谷豊明が少ないことを逆手にとって、ネット上の「細谷豊明」は私の情報で埋め尽くす。残りは、【豊明市から細谷(群馬)までの乗換案内】くらいしか出て来なくなるまで、席巻しようと企んでいる次第である!
とりあえず、本文中でこれだけ、細谷豊明を連呼しておいたので、グーグル検索でこの記事がトップに上がってくることはまず、間違いないだろう。こんな、何の学びもない、他人にとってはどーでもいい記事がトップに上がってしまうのもどうか、と思うが、まあ、これも私である。
あ、いけね。
すっかり、忘れてたんだけど!
ネットどころの騒ぎじゃないよ。TV地上波だよ、全国ネットだよ!
来週、1月20日(土)18:00~ テレビ朝日系『人生の楽園』に、主人公として出演いたします。ぜひ、ご覧ください。
その告知をするために書き始めたんだったわ、このブログ!笑笑
著者プロフィール
細谷豊明(リブラ農園・代表)/1975年北海道生まれ。イギリス留学後、出版社・編集会社での勤務を経て、食品宅配事業のWebサイト、カタログ制作のチーフエディターに就任。2019年、44歳のときに小田原市に移住し、未経験ながらも農業の道へ。元エディターの経験を生かして、新規就農者の視点から農業の現実をブログにて発信中。小田原市・認定新規就農者。